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  • 執筆者の写真Doctor Tab@cho

King Tubbyからの〜オリジナル曲解説

更新日:2021年3月22日



「King Tubby's Special1973-1976」

基本的にRoots Reggae DubというよりはBunny Lee early reggae Version special Mixですね、Roots tuneのVersionもあるけど。「Aquarius Dub」と並ぶ「最初期のVersion&Dub Mixレコード」でもこれ後半はRoots Dub Mixへと変わっていくんです。この流れでKing TubbyBunny Leeの音源をDub Mixした1974年リリースの名作アルバム「The Roots Of Dub」がRoots Dubをテーマにした最初のダブ・コンセプト・アルバムと言われています。

手法としての「DUB」の金字塔で素晴らしいアルバムです。


「Aquarius Dub」もDubと言うよりはHerman Chin LoyがプロデュースしてるけどDennis Brownとかの Aquarius Studio音源でearly reggae Version並べてspecial Mixやってる72年頃です。もちろんこのBunny Lee音源でもspecial Mixやってます72年頃です。Dub Mixに関してはBunny Lee&King Tubbyが先かHerman Chin Loyが先か?は不毛な話かもしれませんがTrojanはデュークリードのレーベルですから「俺らが先だ!」の既成事実を見せつける的なリリースがこの「King Tubby's Special1973-1976」のアルバムだと思うわけです。つまり丁寧に時系列で並べてBunny Lee early reggae Version special MixがKing Tubby Roots Dub Mixへと変わっていく様を見せつけてる。w









Bunny lee 音源



























































































レゲエのこのDub Wise Versionというオリジナル表現について説明すると、要は歌モノののカラオケをリミックスしてインストの「別の作品にしてしまう」ということですね。他の音楽であるリミックスとは違うんですね。リミックスは歌も込みで別の作品にします。ダブは全部取るかはマチマチですが、基本「インストのカラオケ」をリミックスします。

言うより「やってみせる」がいいと思うので、やってみてます。これの2曲め以降は「A歌モノ」「Aのダブ」「B歌モノ」「Bのダブ」と言う風に構成されています。自作曲です。



Harry J's Dynamicで録音されたVersionを中心に恐らく「初」に近いRasta Roots Reggae meditationをテーマにしたインスト・アルバムがTommy Cowan & Warrick Lynのプロデュースで製作されます。King Tubbyによるインストのリミックスに留まらずその上に「リード楽器奏者」を乗せてRoots meditationをテーマにしたオリジナル作品に完全に作り直すと言うもの。リード楽器奏者はピアニカのAugustus Pablo。ここであえてタイトルにある「Dub」と言わず「Rasta Roots Reggae meditationをテーマにしたインスト」と表現したのには意味があります。後半その捕捉は説明しますが、このアルバムでなされているKing Tubbyのミックスは「The Roots Of Dub」とは異なり割とシンプルなんです。









Augustus Pablo音源


Augustus Pablo音源はA面は歌入りオリジナルの場合もある。有名なところで、Hugh Mundell 、Jacob Miller、Junior DelgadoなどがAugustus PabloのプロデュースでA面を歌い裏のVersionでAugustus Pabloがピアニカを吹くAAスタイルだ。

































































































このAugustus Pablo「Ital Dub」のアルバムの表現方法が俺に与えた影響は絶大で、特にペラカティ・ポラスカというバンドやってた頃への影響は計り知れないものがあります。どこがどうというのを説明すると、特に「曲の作り方」ですね。まずインストのDub Wiseを録音し、その上にアドリブでピアニカを重ね、さらにアドリブで歌をRub A Dubするというとんでもない製作方法です。そうしてできた曲がこの「水中花」という曲。レコーディングがアドリブなんですね?これ、で後から「自分のアドリブをコピー」してオリジナル楽曲に「仕上げて」いきました。それでこの曲は2回レコーディングしてる。

最初はアドリブのレコーディング音源 https://soundcloud.com/srhsamplecloud/01-a1

次が仕上げて取り直した音源 https://www.youtube.com/watch?v=ed6jtiTRmm0

聞き比べると面白いですよ


これだけ大真面目にAugustus Pablo「Ital Dub」の手法に取り組んだ曲を、個人的には日本で聞いたことないですね。。失礼かもしれませんが「それ風にやろう」とする人はたくさんいると思います。でもそれは俺は違うんですね「イメージ」パクってどうするんだ!という。。曲のイメージ、表現、テーマはオリジナルであるべきです。まあ人それぞれの好みと解釈ですが。音楽は「イメージ」パクると音を足していく作業になる。俺にはどうにもそれがレゲエに思えない。日本で数少ない「音を抜いて音楽を作るレゲエに思えるバンド」は2つしかない。村八分と裸のラリーズである。

つまり、最初の方で述べた「Augustus Pablo Ital Dubの手法」は「The Roots Of Dubとは異なる」の紐解きになります。これは俺の推論です。Ital DubはBand Dub Wise Sessionなのではないか?つまり Pabloのピアニカ音源が「先にあり」その後、オケとしても使われた可能性。。。。

紐を解きます。Inner Circle 2nd Album 「Blame it on the Sun (1975)」 Trojan がどうにもこのITAL DUBに音が似てる。。いや曲によっては同じか?で見てくと、ラスト曲Curly LocksになんとAugustus Pablo参加でインスト。これは「同じ」 https://www.youtube.com/watch?v=WVibquSwgOE



このシングルの演奏もどう聞いてもinner Circle。ということはですよ。。この時期のHarry J 音源の多くはバックバンドはinner Circle、mixはKing Tubby、プロデュースはTommy Cowan & Warrick Lynてえことになります。



紐が解けました。Blame it on the Sunのアルバムのどこにも一切書いてないけど、これRecorded at Harry J's Dynamic & King Tubby's StudioでKing TubbyのエンジニアリングでTommy Cowan & Warrick Lynのプロデュースで作られてる、ここは間違いないと思う。つまり、レコーディングセッションに「Augustus Pabloは最初から参加していた」そしてAugustus Pablo メインをItal Dubとしてリリースし、歌メインをBlame it on the Sunとしてinner Circleのアルバムにしたのではないか?Ital Dubは厳密にはInner Circle&Augustus Pabloと表記すべきコンセプト・セッションである気がするんです。




蛇足になりますが、面白いのはAugustus Pabloに関してもHerman Chin Loyは「俺のプロデュースが先だ」と主張してます。「71年ごろみっけて先にAquariusが録音した」と。メジャーという意味ではTrojan側のが「強い」です。ですがAugustus Pabloに関してはHerman Chin Loyの主張が正しいようです。

Randys labelがAugustus Pabloの名作と誉れ高いファースト・インスト・アルバム「This is Augustus Pablo」を手がけていてRandysの流れからRockers Internationalへ繋がる。でもまだ俺個人の感想ではそのアルバムはDub AlbumというよりはPabloのソロ・インストという感じがします。をでもearly reggae Versionを「ダブなんだ」とする主張は確かに無理があるような感じもなく無い、それで日本では「The Red Sea」というAugustus Pablo in Aquariusも「Aquarius Dub」も少々Dub Albumとしては「眉唾」的に見る人も?います。。どうなんでしょう?



参考「ファーストダブを探して」

1960年代後半に生まれたと言われるダブ。では、世界初のダブアルバムは誰によるものだったのだろうか? 様々な証言を元にルーツを探る

By David Katz



参考「レゲエ:ダブの起源、キング・タビーと初のダブ・アルバム」

「キング・タビーは守銭奴じゃない、タビーはダブのオーガナイザー(設立者)だ」―ディリンジャー(リー・‘スクラッチ’・ペリーの『Blackboard Jungle Dub』LPについて)



個人的な見解としては、Version並べてspecial Mixやるのが広義の「DUB」であるなら、確かにKing Tubby以前はあります。でも俺はKing Tubbyは明確に「Rasta Fari Meditaition」を意識した「楽曲」としてDubを作ってる。ここは伝わりづらい箇所だけども「全然違う」と思うんです。


参考「King Tubby - The Roots Of Dub [Full Album] (Platinum Edition)」






























AquariusとHerman Chin Loyはその後King Tubbyの影響を受けて「Roots Dub」を明確に意識した優れたDub Mixを手がけていきます。

















からの〜w

でまた恐縮ですがRoots Dubのミックスにおけるセンスというかハイファイの概念は他の西洋音楽のステレオ感覚では無いんですね。サウンドシステムそのものが当時「モノラル再生」を基本としていてRoots Reggaeのミックスセンスは高域、中域、低域の音でハイファイをやろうというもので、それはフルレンジ・ワン・スピーカーでも同様の「鳴り方」を目指すものでした。これも言葉での説明がなかなかにむづかしい、というわけで、やってみましたBunny Leeルーツ・レゲエ〜ダブの音源を中心にモノラル・ミックスをしました。聞いてみてください。サイレンがね「自家製」です。ブリブリ。























P.S...Respect of DUB #61 / GAZ MAYALL




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